鏡餅はいつまで売ってる?年末年始の販売時期と出遅れた際の対処法
気づけばもう年末、お正月の準備に追われている方も多いのではないでしょうか。
中でも、うっかり鏡餅の飾り忘れをしてしまい、「もう売ってないかも…」と慌ててしまうケースは少なくありません。
「鏡餅はいつまで売ってるのだろう?」と準備が遅れた場合、どこに買える場所があるのか気になりますよね。
また、運良く購入できても、縁起が悪いとされる一夜飾りは避けたいものです。
この記事では、鏡餅の販売時期から、もしもの時の対処法、飾った後のお作法まで、詳しく丁寧に解説します。
- 鏡餅がいつまで売られているかの詳細な目安
- 年末ギリギリに鏡餅が買える可能性のある場所
- お正月飾りの意味と正しい飾り方・片付け方
- 鏡餅をおいしくいただく食べ方や適切な処分方法
鏡餅はいつまで売ってる?販売時期と注意点
鏡餅はいつまで売っているのか?
鏡餅の販売期間は、多くの店舗で12月30日まで、遅くとも31日の午前中には終了するのが一般的です。
お正月飾りを飾るのに縁起が良いとされる12月28日が購入のピークとなり、この日を過ぎると、お店は徐々に商品を減らし始めます。
特に、大晦日の31日は「一夜飾り」といって古くから避けられる風習があるため、購入需要が激減します。
この需要の低下を見越して、多くのスーパーやホームセンターでは30日の営業終了、あるいは31日の早い時間帯で売り切り、おせち料理や年始商品へと売り場を切り替えていくのです。
お店にもよりますが、年が明けた元日以降に店頭で購入できる可能性は低くなると考えておきましょう。
店舗側としても、限られた棚スペースを最大限に活用するため、売れ行きの鈍った鏡餅よりも、大晦日から元旦にかけて需要が高まる年越しそばやおせち料理を優先します。
また、お正月の縁起物を年が明けてから売れ残らせてしまうのは避けたいという事情もあり、30日を過ぎると売り切り体制に入るのが一般的です。
店舗タイプ | 販売終了の目安 | 備考 |
---|---|---|
スーパーマーケット | 12月30日~31日午前 | 28日をピークに在庫が減り始め、31日には売り場が縮小されることが多い。 |
ホームセンター | 12月30日~31日午前 | スーパーと同様に、31日には撤去される可能性が高い。 |
コンビニ | 12月31日まで | 小型のものが中心。店舗によっては在庫が残っている場合があり最後の砦となることも。 |
ネット通販 | 12月中旬には受付終了 | 配送日数を考慮する必要があるため、年末ギリギリの注文はできない。 |
和菓子店・米屋 | 12月28日頃(予約分受取) | 基本は予約販売。当日販売分は非常に少ないか、無い場合が多い。 |
お店にない場合はどこで買えばいい?
年末ギリギリになって、いつも利用しているスーパーマーケットで鏡餅が売り切れていても、まだ諦める必要はありません。
視点を変えて他の種類のお店をいくつか探してみると、まだ販売している可能性があります。
まず最初に思いつくのが、コンビニエンスストアです。
セブン-イレブンやファミリーマート、ローソンなどの大手コンビニチェーンでは、12月中旬頃から小型の鏡餅を取り扱っています。
品揃えは限られますが、24時間営業の利便性もあり、急いでいる時には最後の砦として非常に頼りになります。
次に、意外な穴場としてドラッグストアやホームセンターもチェックしてみましょう。
これらの店舗は年末年始用品の特設コーナーを大々的に展開していることが多く、スーパーとは仕入れルートや在庫管理が異なるため、思わぬ在庫が残っている場合があります。
鏡餅が見つからない時の探し先リスト
- コンビニ:小型で手軽なタイプが見つかる可能性が高い。深夜でも探せるのが強み。
- ホームセンター:正月飾り全体のコーナーに、様々なサイズの在庫が残っていることがある。
- ドラッグストア:食品も扱う店舗の季節商品コーナーは穴場的な存在。
- 和菓子店・米屋:予約キャンセル分や、少数ながら当日販売分が稀にあるかもしれない。電話で確認する価値あり。
- 道の駅:もし近隣にあれば、地元の生産者による手作りのものが置かれている場合がある。
これらの店舗を根気強く探してみることをお勧めします。
どうしても見つからない場合の最終手段としては、お餅とみかん(橙の代用)で自作するという方法もありますが、まずは周辺のお店を回ってみましょう。
鏡餅の一夜飾りには注意が必要
もし大晦日に鏡餅を運良く手に入れられたとしても、その日のうちに飾ることには注意が必要です。
古くから、大晦日(12月31日)にお正月飾りを飾ることは「一夜飾り(いちやかざり)」と呼ばれ、縁起が悪いこととされています。
一夜飾りが良くないとされる背景には、日本の文化に根差したいくつかの理由があります。
これを知ることで、お正月飾りの意味合いをより深く理解できます。
一夜飾りが避けられる理由
- 神様への誠意に欠ける:新しい年の福をもたらしてくださる年神様をお迎えする準備を、前日ギリギリに慌てて行うのは、誠意に欠ける失礼な行為だと考えられています。
- お葬式を連想させる:人の死という不浄を避ける神道の影響から、一晩で準備を整えるお葬式の飾り付け(こちらも一夜飾りと呼ぶことがあります)を連想させることが、お祝い事であるお正月にはふさわしくないとされます。
- 神様の引き継ぎに間に合わない:一説には、新しい年神様は31日の早朝に各家庭へ来られるとされています。そのため、日中や夜に飾り付けをしても、年神様のおもてなしに間に合わない、という考え方です。
どうしても31日になってしまったら
もし様々な事情で準備が31日になってしまった場合、昔からの知恵として元日の朝早くに飾るという対処法が伝えられています。
縁起が悪いとされる一夜飾りよりは、年が明けてから心を込めて飾り付けを行う方が良い、という考え方です。
もちろん、飾らずに新年を迎えてしまうよりは、ずっと良い選択と言えるでしょう。
正月飾りは使い回ししてもいいの?
「鏡餅が買えなかったから、去年の飾りを使い回そう」「高価なお飾りだから来年も使いたい」と考える方もいるかもしれませんが、伝統的には、正月飾りを使い回すのは避けるべきとされています。
この習わしの根底には、年神様は毎年新しく各家庭を訪れるという考え方があります。
正月飾りは、その年の年神様を清浄な状態でお迎えするための大切な依り代(よりしろ)です。
そのため、毎年新しいものを用意して、清らかな気持ちで新年を迎えるのが本来の習わしなのです。
古い飾りで神様をお迎えすることは、神様に対して失礼にあたると考えられています。
近年では、ガラス製や木製など、インテリアとして長く使えるようにデザインされたお飾りも人気です。
これらは現代のライフスタイルに合わせた素敵な製品ですが、伝統的な考え方としては、毎年神様のために新しいものを用意するという心持ちが尊重されています。
考え方の一つとして、1年間飾ったお飾りには、その年の厄や穢れが溜まっていると捉えることもできます。
新しい年の幸運を心から願うためにも、毎年新しいお飾りで清々しく年神様をお迎えするのが理想的ですね。
鏡餅を飾り忘れるとどうなる?
鏡餅を飾り忘れてしまったからといって、何か具体的な罰が当たったり、悪いことが起きたりするというわけではありません。
しかし、日本の伝統的な考え方においては、年神様をお迎えするための大切な準備ができていない状態と見なされます。
鏡餅は単なる飾りではなく、お正月の間、年神様が宿るための神聖な「依り代(よりしろ)」としての重要な役割を担っています。
つまり、年神様が家に来てくださった際の居場所であり、同時にお供え物でもあるのです。
その依り代を用意せずに新年を迎えるということは、年神様からその年のご利益、すなわち五穀豊穣や家内安全といった幸せをいただく機会を自ら手放してしまっている、と考えることができます。
現代においては、これらの風習をどこまで重んじるかは個人の考え方によりますが、一年の始まりに、目には見えない存在への感謝と敬意を示すという意味で、鏡餅は非常に大切な役割を担っています。
もし飾り忘れたことに気づいたら、年が明けてからでもできるだけ早く用意し、心を込めてお供えするのが良いでしょう。
どうしても用意できなかった場合には
年末ギリギリの時期になると、お店を何軒も探し回っても鏡餅が手に入らない、という事態も残念ながら起こり得ます。
そのような場合は、無理に探し続けて焦るよりも、まずはお迎えする年神様に対して、鏡餅をご用意できなかったことを心の中で静かにお詫びしましょう。
お詫びの気持ちを伝える
日本の神様は、形式や物そのものよりも、人々の真心を大切にすると言われています。
誠心誠意、準備ができなかった事情をお伝えし、「来年こそは必ずお迎えの準備を万端に整えます」という気持ちを伝えれば、年神様もきっとその心を汲んでくださるでしょう。
大切なのは、豪華な飾りを用意すること以上に、神様を敬い、新しい年をありがたく迎える心そのものです。
鏡餅はいつまで売ってる?飾った後の作法
鏡餅はいつ食べる?下げる時期は?
お正月の間お供えしていた鏡餅を下げて、家族でいただく日本の伝統行事を「鏡開き(かがみびらき)」と言います。
この行事は、年神様が各家庭に滞在されるとされる「松の内」という期間が終わった後に行われるのが一般的です。
松の内の期間は地域によって慣習が異なるため、鏡開きの日もそれに伴い地域差が見られます。
ご自身の住む地域がいつ鏡開きを行うのか、下の表で確認してみましょう。
地域 | 松の内 | 鏡開きの日 |
---|---|---|
関東・東北・九州など | 1月7日まで | 1月11日 |
関西地方 | 1月15日まで | 1月15日または20日 |
京都の一部など | 1月3日または4日まで | 1月4日 |
なぜ関東は11日なの?
もともと全国的に鏡開きは二十日正月(1月20日)に行われていました。
しかし、江戸幕府三代将軍・徳川家光の月命日が20日であったため、武家がこの日のお祝い事を避けるようになりました。
そこで、商家の仕事始めの儀式「蔵開き」が行われていた11日に合わせて鏡開きを行うようになったのが、江戸を中心とする関東地方で定着したと言われています。
鏡餅の食べ方はどうする?
鏡開きは、単にお餅を食べるだけではありません。
お供えしていた鏡餅を家族で分けて食べることで、そこに宿った年神様の力を授かり、新しい一年を災いなく健康に過ごせるように願う、大切な意味が込められています。
そのため、食べ方にもいくつかの伝統的な作法が存在します。
最も重要な作法は、お餅に包丁などの刃物を使わないことです。
これは武家社会の習わしに由来しており、「切る」という行為が「切腹」を連想させるため、縁起が悪いと固く禁じられていました。
そのため、お供えして乾燥し、硬くなった鏡餅は、木槌(きづち)や金槌で叩いて細かくします。
また、「割る」という言葉も縁起が良くないため、未来を切り開くという意味合いで、末広がりを意味する「開く」という言葉が使われるようになったのです。
食べ方について、農林水産省のウェブサイト「aff(あふ)2020年1月号」でも、お餅をおいしく食べる様々な方法が紹介されています。
鏡餅のおすすめの食べ方
- お汁粉・ぜんざい:甘く煮た小豆の汁でいただく、鏡開きの最も定番な食べ方です。
- お雑煮:お正月に残った具材や、各家庭の味付けのお雑煮に入れて、食事として楽しみます。
- 揚げ餅・かき餅:細かく砕いたお餅を低温の油でじっくり揚げ、塩や醤油で味付けします。香ばしいおやつやおつまみとして最適です。
- きな粉餅:電子レンジなどで柔らかくしたお餅に、砂糖を混ぜたきな粉をたっぷりとまぶしていただきます。
最近のプラスチック容器に入った鏡餅は、電子レンジで安全かつ簡単に加熱できるよう工夫されています。
例えば、阿部幸製菓株式会社の公式サイトでは、写真付きで詳しい開封方法が解説されていますので、容器の説明書きと合わせて参考にし、安全に調理してください。
正月飾りを処分し忘れた場合どうすればいい?
松の内が明けて正月飾りを片付けたものの、その処分方法に困り、ついそのままにしてしまうこともあるでしょう。
しかし、正月飾りは年神様をお迎えした大切な縁起物ですので、他の家庭ゴミと一緒に無造作に捨てるのは避けるべきとされています。
最も丁寧で伝統的な処分方法は、地域の神社などで行われる「どんど焼き(左義長)」に持参することです。
これは、一般的に小正月(1月15日頃)に行われる火祭りの行事で、集められた正月飾りやお守り、書初めなどを焚き上げ、その炎と煙と共に年神様を天にお見送りするという意味があります。
どんど焼きに参加できない、あるいは近所で開催されない場合は、神社の境内によく設置されている「古札納所(こさつおさめしょ)」に納めるのが良いでしょう。
これにより、神社側で適切にお焚き上げをしてもらえます。
やむを得ず自宅で処分する場合の作法
上記の方法が難しい場合、自宅で処分することも可能です。
その際は、神聖なものであったことへの感謝と敬意を込めて、以下の手順を踏むことが推奨されています。
- 大きな白い紙や新聞紙をきれいに広げ、その上に処分したい正月飾りを置きます。
- 塩をひとつまみ振り、お清めをします。
- 中身が見えないように紙で丁寧に包み、他のゴミとは別の袋に入れます。
- お住まいの自治体の分別ルールに従って、指定のゴミの日に出します。
しめ縄などに使われているプラスチックや金属などの燃えない素材は、環境への配慮から、きちんと分別してから処分するよう心がけましょう。
鏡餅は残してもいいですか?
鏡開きでいただいた鏡餅は、年神様の力が宿っている大変縁起の良いものですので、残さずにすべて食べきるのが良いとされています。
家族で分け合って食べるという行為そのものに、年神様からのご利益を皆で分かち合い、一年の一体感と無病息災を願うという意味が込められています。
そのため、木槌で叩いた際に生じた小さなかけらも無駄にせず、お汁粉に溶かしたり、揚げ餅にしたりして、感謝の気持ちを込めていただくのが理想的です。
とは言え、大家族で大きな鏡餅をお供えした場合など、一度に食べきれないこともあるでしょう。
その場合は、カビなどが生えないよう適切に保存し、後日必ずいただくようにしましょう。
食べきれないお餅の賢い保存方法
お餅は水分が多くカビが生えやすいため、常温での長期保存には向いていません。
数日で食べきれない分は、カビが発生する前に冷凍保存するのが最も手軽で効果的です。
- お餅を使いやすい大きさに分け、一つずつラップでぴったりと包みます。
- 冷凍用の保存袋に入れ、できるだけ空気を抜いてから口を閉じ、冷凍庫で保存します。
この方法であれば、2ヶ月程度は美味しく保存できるとされています。
また、古くからの知恵として、お餅を薄く切ってザルなどに広げ、天日で数日間カラカラになるまで乾燥させて「かき餅」や「揚げ餅」の素を作るのも伝統的な保存方法です。
鏡餅はいつまで売ってる?総括
この記事の重要なポイントをまとめます。
- 鏡餅の販売は11月頃から始まり12月下旬がピーク
- 12月28日は末広がりで縁起が良く購入におすすめの日
- 大晦日の31日には売り場が縮小・撤去されることが多い
- 元日以降に店頭で見つけるのは非常に難しい
- スーパーになければコンビニやホームセンターを探してみる
- 和菓子店などでは予約制で生の鏡餅を販売している
- 31日に飾る「一夜飾り」は縁起が悪いので避けるべき
- 準備が遅れたら元日の朝早くに飾るという方法もある
- 正月飾りは毎年新しいものを用意し使い回しはしない
- 鏡餅は年神様の依り代なので飾らないのは避けたい
- 鏡餅を食べる行事を「鏡開き」といい1月11日が一般的
- 鏡開きの日付は関東と関西など地域によって異なる
- お餅は包丁で切らず木槌などで「開く」のが作法
- お汁粉やお雑煮にして家族全員でいただく
- 残さず食べることで年神様のご利益を授かるとされる