本サイトにはプロモーションが含まれています

鏡餅を1月1日に飾るのは良くない?年明けに飾る際の注意点について

2025年11月18日鏡餅

鏡餅を1月1日に飾るのは良くない?年明けに飾る際の注意点について

慌ただしい年末、仕事や大掃除、買い出しなどに追われ、気づけばカレンダーはもう大晦日。

「しまった、鏡餅を飾り忘れていた!」と慌てて設置したものの、ふと「鏡餅を1月1日に飾ることになってしまったけど、これって良かったんだっけ?」と一抹の不安がよぎる…。

そんな経験はありませんか。

実は、年明けに鏡餅を飾ること、特に大晦日に飾ることは「一夜飾り」と呼ばれ、新年の神様をお迎えする上で、できれば避けるべきこととされています。

しかし、現代の多忙な生活の中で、万が一飾ってしまったからといって、過度に心配したり自分を責めたりする必要はまったくありません。

この記事では、鏡餅を1月1日に飾る(年明けに飾る)ことがなぜ避けられるのか、その背景にある一夜飾りの本当の意味、飾っても大丈夫なのかという疑問に対する具体的な対処法、そして飾る際の注意点まで、心穏やかに新年を迎えるための知識を詳しく解説します。

この記事を読んでわかること
  • 鏡餅を1月1日に飾ることがなぜ良くないとされるか
  • 「一夜飾り」の本来の意味と背景
  • 年明けに飾ってしまった場合の具体的な対処法
  • 忙しい現代におけるお正月準備の考え方

鏡餅を1月1日に飾るのは良くない?

この章の内容
  • 鏡餅を1月1日に飾っても大丈夫?
  • なぜ一夜飾りはいけないのか?
  • 鏡餅を年明けに飾る時の注意点
  • すでに一夜飾りしてしまった場合の対処法は?

鏡餅を1月1日に飾っても大丈夫?

結論から申し上げますと、鏡餅を1月1日(元旦)に飾ることは、12月31日の大晦日に慌てて飾る「一夜飾り」を避けるための一つの方法として、一概に「間違い」とは言えません。

もちろん、お正月飾りは歳神様(としがみさま)をお迎えするための大切な準備です。

そのため、最も望ましいのは、縁起が良いとされる12月28日や、遅くとも30日までに飾り終えておくことです。

しかし、様々な事情で大晦日までに準備が間に合わなかった場合、「一夜飾り」として神様に失礼にあたる可能性のある31日の夜遅くに慌てて飾るよりは、新年を迎えた元旦の清々しい朝に、気持ちを改めて飾る方が良い、という考え方があります。

日付が変わってすぐの深夜0時過ぎに飾るという考え方もありますが、一般的には元旦の朝、初詣に行く前や家族が集まる時間帯など、ご家庭の状況に合わせて無理のない時間を選ぶと良いでしょう。


なぜ一夜飾りはいけないのか?

そもそも「一夜飾り」とは、鏡餅やしめ縄、門松といったお正月飾りを大晦日の12月31日に慌てて飾ることを指します。

古くからの日本のならわしでは、これは神様に対して誠意を欠く行為とされ、避けるべきこととされてきました。

これには、主に二つの深い理由があります。

一夜飾りが避けられる理由

  1. 歳神様(としがみさま)への失礼にあたる
    お正月とは、元旦に各家庭を訪れ、一年の実りや幸福をもたらしてくださる大切な神様、「歳神様」をお迎えする行事です。
    (参考:紀文「お正月 いわれ 年神様(歳神様)と正月行事」
    大切な客人である歳神様をお迎えする準備を、訪問の前日である大晦日に慌ただしく行うのは、神様に対して誠意に欠ける失礼な行為だと考えられてきました。
  2. 葬儀を連想させるため(弔事を想起させる)
    もう一つの重要な理由として、一夜限りの準備が「お葬式」を連想させることが挙げられます。

    お葬式の際も、お通夜の準備を急いで行い、祭壇の飾り物は翌日の告別式が終わるとすぐに片付けられます。

    この慌ただしさが、おめでたい新年を迎える神事にはふさわしくないとされ、縁起の悪いこととして強く忌避されてきたのです。

このように、「一夜飾り」は神様への敬意と、弔事との区別の両面から避けられてきた伝統的な考え方です。


鏡餅を年明けに飾る時の注意点

もし大晦日までに準備が間に合わず、やむを得ず元旦(1月1日)に鏡餅を飾ることになった場合は、いくつかの点に注意して、できるだけ丁寧に飾り付けを行いましょう。

最も重要なのは飾る時間帯です。

元旦は歳神様が既にいらっしゃっている特別な日です。

その日のうちに準備を整える形にはなりますが、できるだけ歳神様が活発に動かれるとされる朝早い時間、遅くとも午前中に行うのが望ましいでしょう。

新しい年の始まりである清々しい朝に行うことで、「一夜飾り」の慌ただしさや「間に合わせ」の印象を避け、丁寧な気持ちを神様に伝えることができます。

大晦日の夜遅く、日付が変わる直前に慌てて飾ってしまうよりは、元旦の朝に家族一同で気持ちを新たにして飾る方が良い、とされています。

飾る際には、ただ機械的に設置するだけではいけません。

「準備が遅れてしまい、大変申し訳ありませんでした。

本年も我が家をお見守りくださいますよう、よろしくお願いいたします」といった感謝とお詫びの気持ちを込めて、丁寧に飾り付けを行うことが何よりも大切です。


すでに一夜飾りしてしまった場合の対処法は?

忙しい年末、様々な事情でうっかり鏡餅を12月31日に飾ってしまった(=一夜飾りをしてしまった)場合でも、過度に心配したり、自分を責めたりする必要はまったくありません。

「神様が怒って罰が当たる」といった怖いことはないと言われていますので、まずは安心してください。

大切なのは、昔ながらのならわしに気づいた後の心の持ちようと、その後の対応です。

もし、どうしても「一夜飾り」になってしまったことが気になる場合の対処法としては、以下の方法が挙げられます。

一夜飾りをしてしまった場合の対応策

  • 元旦の朝に飾り直す
    最も丁寧な方法は、一度お飾りを下げて、元旦の朝になってから改めて飾り直すことです。

    この一手間を加えることで、「一夜限りのお飾り」ではなくなり、歳神様を清々しい新年に改めてお迎えするという形に整えることができます。

  • 心の中でお詫びと感謝を伝える
    「一度飾ったものを下げるのは、かえって失礼な気がする」「時間的に飾り直しも難しい」と感じる方も多いでしょう。

    その場合は、飾り直さなくても全く問題ありません。

    鏡餅に向かい、歳神様に対して心の中で「準備が遅れてしまい申し訳ありませんでした。

    今年も一年、お見守りいただきありがとうございます」と、非礼をお詫びし、日頃の感謝の気持ちを伝えるだけでも十分です。

  • 盛り塩を置く
    より丁寧に清めたい場合は、神聖な場所を示す意味で、鏡餅を飾った場所の近くに「盛り塩」を小さく置いて清める、という方法もあります。

日本の神様は、形式やルールそのものよりも、そこに込められた人々の感謝や敬意の心を大切にすると言われています。

形式だけでなく、心を込めてお迎えする気持ちが何よりも重要です。


鏡餅を1月1日に飾る時の注意点は?

この章の内容
  • 鏡餅は31日以降は入手しにくいので注意
  • 正月飾りやしめ縄も同じ考え方でOK
  • 年末までに終わらせたい事はいろいろある
  • 忙しい現代では臨機応変さも大切

鏡餅は31日以降は入手しにくいので注意

鏡餅を「いつ買うか」という購入日については、特にタブーとされる日はありません。

年末の買い物は非常に混雑しますので、ご自身の都合の良い日に早めに購入しておくのが賢明です。

重要なのは「買う日」よりも「飾る日」です。

飾る日に合わせて、12月28日頃までに購入を済ませておくのが理想的です。

ただし、計画が遅れてしまった場合には大きな注意点があります。

それは、12月31日(大晦日)や1月1日(元旦)になってから鏡餅を入手しようとすると、非常に困難になる可能性が高いという点です。

多くのスーパーマーケットや店舗では、鏡餅を含むお正月用品の販売ピークはクリスマス後から12月28日頃までです。

30日や31日になると、商品は売り場に残っていても品薄になったり、希望のサイズが売り切れていたりするケースが少なくありません。
さらに、元旦はお正月休みで休業していたり、営業時間を大幅に短縮していたりする店舗も多いため、そもそも鏡餅を購入すること自体が難しい場合が考えられます。

「元旦の朝に飾ろう」と考えていても、肝心の鏡餅が手に入らなければ元も子もありません。

鏡餅の準備だけは、飾り付けの日から逆算して、余裕を持って早めに済ませておくことを強くおすすめします。


正月飾りやしめ縄も同じ考え方でOK

「一夜飾り」を避けるべき、という古くからのならわしは、鏡餅だけに限った話ではありません。

しめ飾り(しめ縄)や門松など、歳神様をお迎えするためのすべてのお正月飾りに共通する考え方です。

それぞれのお正月飾りには、歳神様をお迎えする上で欠かせない大切な役割があります。

お正月飾り役割・意味
しめ飾り(しめ縄)神様を迎え入れる清浄な場所であることを示す「結界」の役割を持ちます。「これより内側は神聖な場所ですよ」というサインです。
門松歳神様が家々を訪れる際に、道に迷わないようにするための「目印(依り代)」となります。
鏡餅家にいらした歳神様の霊が宿る場所(依り代)であり、同時に神様へのお供え物(神饌)でもあります。

これらは、歳神様をお迎えするための一連の準備として、三つで一つのセットのようなものです。

そのため、鏡餅と同様に、しめ飾りや門松も大晦日に慌てて準備するのではなく、余裕を持って12月28日、遅くとも30日までには飾り付けを完了させ、神様を迎える準備を整えておくことが望ましいとされています。


年末までに終わらせたい事はいろいろある

大晦日(12月31日)は、歳神様をお迎えし、静かに新年を待つ日であるため、お正月飾り以外にも「避けるべき」とされる習慣がいくつかあります。

これらはすべて、新しい年の神様を敬い、その訪れを妨げないようにするための、昔ながらの知恵と言えるでしょう。

大晦日の主なタブー

  • 大掃除(特に激しいもの)
    本来、一年の汚れを落とす大掃除は「煤払い(すすはらい)」と呼ばれ、12月13日の「正月事始め」に行うのが正式な習わしでした。
    (参考:じゃらんニュース「「正月事始め」とは?いつ何をする日?」)
    大晦日に家の中をバタバタと騒がしく掃除することは、せっかく来てくださった歳神様を家の外に追い払ってしまう行為だと考えられています。

    もし掃除が残ってしまった場合も、大晦日はホコリを軽く払う程度の簡単な掃き掃除に留めておくのが良いでしょう。

  • 餅つき
    31日についたお餅は「一夜餅」と呼ばれ、一夜飾りと同様に葬儀を連想させるため縁起が悪いとされます。

    また、29日につく餅も「苦餅(くもち)」と呼ばれ忌み嫌われます。

    餅つきも28日、遅くとも30日までには済ませておくのが理想です。

  • 長時間の火の使用
    おせち料理の準備などで長時間煮炊きをすると「灰汁(あく)」が出ます。

    これが「悪」を出すことに繋がるとされ、また、火の神様である荒神様(こうじんさま)を騒がせるとして、大晦日に台所で火を長く使うことは避けられてきました。

おせち料理などの時間のかかる調理は、大晦日よりも前に計画的に進めておくと、心にも余裕を持って新年を迎えられます。


忙しい現代では臨機応変さも大切

ここまで様々な日本の伝統的なならわしやタブーを紹介してきました。

しかし、最も大切にしていただきたいのは、ルールを守ることそのものよりも、歳神様を敬い、新しい年の家族の健康や幸せを願うその気持ちです。

伝統や風習は、その背景にある意味(神様への感謝や敬意)を理解し、できる範囲で生活に取り入れることが重要であり、ルールを厳格に守れないからといって不幸になるわけではありません。

現代の生活は非常に忙しく、年末ぎりぎりまで仕事という方も少なくありません。

そのような中で、伝統を頑なに守ろうとすることが、かえってご自身のストレスや家族との不和に繋がっては本末転倒です。

例えば、「どうしても31日にしか飾れない」という状況であれば、「何も飾らない」という選択をするよりは、心を込めて飾る方がずっと良い、と前向きに捉えることもできます。

飾る際には、「準備が遅くなり申し訳ありません。

今年も一年、お見守りください」と心の中で丁寧に伝えながら行いましょう。

ご自身の状況に合わせて、あまり気負わず、臨機応B変に対応していくことが、穏やかな新年を迎える一番の秘訣かもしれません。


鏡餅を1月1日に飾るのは良くない?まとめ

この記事の重要なポイントを、箇条書きにてまとめます。

  • 鏡餅を飾るのは12月28日が末広がりで最も良い
  • 12月29日は「二重苦」で避けるべき日とされる
  • 12月31日の飾りは「一夜飾り」とされ縁起が悪い
  • 一夜飾りは神様への礼を欠き葬儀を連想させるため
  • もし31日に飾ってしまったら元旦の朝に飾り直すのが丁寧
  • または心の中で感謝とお詫びを伝えれば十分
  • 大晦日に間に合わなければ元旦の午前中に飾るという考え方もある
  • このルールはしめ飾りなど正月飾り全般に共通する
  • 大晦日の大掃除も神様を追い払う行為とされるため避ける
  • 餅つきや長時間の火の使用も大晦日は避けるのが無難
  • 鏡餅は31日や元旦になると入手困難な場合があるため注意
  • 伝統やならわしは大切だが現代では臨機応変な対応も必要
  • 最も重要なのは形式よりも神様を敬う心
  • 準備が遅れても感謝と敬意を心から伝えれば気持ちは届くはず
  • 飾ってしまったことを気に病まず晴れやかな新年を迎えよう

【関連記事】

鏡餅にゆずり葉を飾る意味とは?裏白との違いや飾り方について

鏡餅とお供え餅の違いとは?目的や意味の違い&使い分けの方法

鏡餅に煮干しを飾る意味は?地域の風習に込められた願いや祈りとは

砂糖でできた鏡餅を飾る地域はどこ?上白糖を使う地方のお供え物

鏡餅はなぜ2段なのか?重ねられた意味や願い&3段以上の有無について

鏡餅の大きさには意味があるのか?縁起的な意義やサイズの違い

鏡餅が丸い理由とは?お供え物としての形や名前の由来について